あなたの寝かたはそれでいい??うつ伏せ寝の本能
動物でうつ伏せ寝をしていないのは人間だけ。
大切な臓器を守るためにほとんどの動物はお腹を下にうつ伏せ寝です。
あなたの寝かたはどうでしょうか?
楽な姿勢で寝れるのが正しい寝かたでしょうか?
あなたの寝かたは?
あなたは寝付くときの寝かた、起きたときの寝かた、ふと目が覚めた時の寝かた、
それぞれどうでしょうか?
寝つきときはうつぶせだけど、目が覚めたら仰向け。
寝つきは仰向けだけど、目が覚めたら横向き。
寝つきは横向きだけど、目が覚めたら仰向け。
など、様々なパターンの人がいます。
ただ、あなたの寝付きや寝起きの体制はいつもだいたい同じではないですか?
仰向け
メリット
もっとも身体に歪みが生じない姿勢で、肩や腰に対する負荷が少ない。
身体をねじる姿勢の横向き・うつぶせに比べて、身体を真っ直ぐにすることができる仰向き。3つの寝方のなかではもっとも身体に歪みが生じない姿勢を取ることができます。また、身体全体で自分の体重を受け止めやすくなるので、寝たときの肩や腰に対する負荷も少なく、局部の圧迫を軽減することができます。
血液の巡りが良く、血栓ができにくい。
局部の圧迫を軽減しながら身体を真っ直ぐにすることで、血液の巡りが良く血栓ができにくいということが言えます。また、他の寝方に比べて重力の影響を受けずらいので、むくみ防止にも効果的。
背中が曲がらず、肺や内臓が圧迫されない。
姿勢を真っ直ぐにすることで背中が曲がる猫背状態を防ぐことができます。身体が曲がると肺や内臓を押しつぶしてしまいがちになり、低反発マットレスや真ん中がヘタっている敷き布団に寝ている方は注意が必要。必要以上に体が沈み込み、寝姿勢バランスが崩れている可能性があります。
手足を広げて放熱することで、眠りに入りやすくなる。
ヒトが眠るうえで重要な役目を担う体温の上がり下がり。深い睡眠に入っていくにつれて体温が徐々に下がっていき、目覚めが近づくにつれ体温が上昇していきます。仰向きで手足を広げることで体温の放熱がしやすくなり、より深い睡眠に入る手助けをしてくれます。
デメリット
舌が喉に落ちて気道をふさぎ、いびきをかきやすくなる。
顔を上に向けることで舌や喉の筋肉が下がりやすくなり、呼吸の際に空気の通り道が狭くなります。そうなると、気道が狭くなるのでいびきをかきやすくなるといわれています。睡眠時無呼吸症候群の方には仰向きで寝ることが推奨されないケースもあります。
腰が反りすぎて、腰痛を感じやすくなる。
腰への圧迫を軽減してくれる仰向きですが、背骨(腰椎)の本来もつ自然なS字カーブをつぶしてしまうことがあります。このことで腰が持ち上げられ反り腰状態になり、腰痛を感じることも。腰のくびれが大きい方や仰向きで寝たときにひざを立てた方が腰が楽に感じる方は、このケースの可能性があります。
横向き
メリット
舌の落ち込みを防ぐので、呼吸がしやすくいびきをかきにくい。
横向きでは舌が気道をふさぐことがないので、空気が入りやすくいびきをかきにくい姿勢です。また肥満や扁桃腺の肥大によって気道が確保しずらい方や睡眠時無呼吸症候群の方にも、横向きで寝ることが推奨されます。
右側を下にすることで、胃の圧迫を防ぎ消化を助ける。
身体の右側を下にすることで、胃から腸につながる部分で食べ物が詰まるのを防ぎ、スムーズな消化を促すことができます。
逆に左側を下にして寝ると、重たい肝臓が上から胃や心臓を圧迫して負担をかけてしまう恐れがあります。
※右下・左下の優位性は観点の違いにより諸説あり。
妊婦さんには内蔵を圧迫しない横向き寝が推奨。
お腹の重さが身体・内蔵を圧迫しないように、妊婦さんには横向きで寝ることが推奨されます。妊娠後期になり、お腹が大きくなってくると必然的に寝返りがしにくくなってくるので、身体の圧迫を逃がすクッション性の高い寝具を使用することも腰痛の軽減やストレスの改善につながります。
腰の角度を自由に変えることが出来るので、腰痛を感じにくくなる。
足の置き場によって腰の角度を自由に変えることが出来る横向きは、腰痛の緩和にもメリットがあります。自分自身で腰痛を感じにくい角度をつくれるので、腰に不安を感じる方に横向き寝が多い理由はココにあります。
デメリット
小さな面積で体重を支えるので、肩や腰に負荷を与えやすい。
マットレスや敷き布団に接地する身体の面積が小さいので、肩や腰など出っ張り部分に負荷がかかりやすくなります。この状態が長時間つづくと局部を圧迫して血流を妨げ、コリの原因につながります。
歯茎やあごに負担がかかり、顔にしわが増える可能性あり。
下に向いている方に圧力がかかる横向きでは、顔周りにも負荷を与えやすくなります。片方だけを長時間下に向けていると歯茎やあごに負担がかかり、顔が押されて歪むことで額や唇、ほっぺたにしわが増える可能性があります。
うつ伏せ寝
メリット
酸素を多く取り込みながら呼吸が出来て、いびきを抑える。
舌が喉奥に落ちることがないので、気道を確保できるという側面からいびき軽減につながるといわれています。また、あごが上がりすぎることも防ぐので、自然に深い呼吸がしやすくなり、酸素を多く取り込むことができます。
⇒仰向き寝と比べて呼吸量が大きくなることはない。ほぼ同程度の数字である。
安心感が得られ、入眠しやすくなる。
動物の本能として本来弱点であるお腹(内蔵)を隠すことができます。お腹を下にすることで誰かに抱っこされているような感覚をもつので、安心感を得ながら眠りに入りやすくなります。
デメリット
体重が肋骨や胸にかかる。
うつぶせになることで自分の体重がお腹や肋骨にかかり、胸や横隔膜を圧迫してしまいます。
首が曲がり続ける姿勢はコリの原因になり、顎にも負荷を与える。
首をどちらか一方に向けて押さえつけられる格好になるので、首にかかる負担は相当大きくなります。首の筋肉が緊張してコリが発生したり、寝違えが多くなったりすることも。また、身体のねじれや歪みにつながることがO脚や顎関節症などを引き起こすともいわれています。
腰が反りすぎて、腰に負担をかける体勢になってしまう。
うつぶせになるとどうしても腰が反る姿勢になってしまいます。腰が反ることで腰椎のS字カーブのバランスが崩れ、腰に違和感を感じたり、腰痛を悪化させる恐れがあります。
うつ伏せ寝が動物の本能
ほとんどの動物を見てください。
おなかをドーンと出して眠りにつく動物がいるでしょうか?
飼われているペットならまだしもいるかもしれませんが、
野生動物においてはおなかを出して寝る動物はいないそうです。
つまりは、自分の内臓臓器を守る体勢が一番安心できる、眠りに適した体勢だということができます。
人間も本来持っている動物的本能からすると、うつぶせ寝が正しいのです。
ただ、ペットと同様に攻撃される危険性がない、心身ともにリラックスできる状態が仰向けなのでしょう。
赤ちゃんは事故に注意
子育てを経験されている方はこんな経験はありますよね。
「赤ちゃんはうつぶせにしてあげるとすぐ寝付く。」
なんていう経験。
また、生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんのおなかの中で、自分の内臓を守るように丸まっています。
おなか側が守られていると安心するのでしょうね。
抱っこよりも、おんぶの方が赤ちゃんが安心して寝つきがよくすぐに寝るというのも、
自分のおなか側がおんぶによりお母さんの背中で守られている安心感があるのでしょう。
寝つきがよいからといって、すぐに赤ちゃんをうつぶせにしてしまうと、窒息などの事故になりかねません。
赤ちゃんをうつぶせにして、ほったらかしなんて言語道断です!
よく見守りながら寝かしつけてあげないといけませんね。
まとめ
先日、頭部MRIを取りました。
診察時にMRI画像をみて医師が言いました、
「あー、この頭部、頚椎、骨格からしたら、あなたはほとんどうつぶせで寝てますね。仰向けで寝るの寝つきが悪くて、苦しい感じでしょ。」
って言われました。
何もこちらから言ってない状態での医師の第一声がこれでした。
これがまさに図星でびっくりして、「頭部MRIの画像見ただけでそんなことがわかるんですか?」と聞くと。
ええ、脳外科医ですからwww。
「すげー!」
体格、骨格や筋肉の付き方等でその人の寝やすい姿勢、楽な姿勢があるのだそうです。
どれがよい、だめではなく、どれでも気持ちよく眠れることを目指すとよいそうです。
人間の身体って奥深いですね。